Mongolia Nomad Tribe

高品質なカシミヤやヤクを育てる伝統的な遊牧民族たち

中国とロシアに挟まれ、モンゴルの中でも高原北部の広大な草原で伝統的なゲルで暮らす遊牧民。家族の絆が強く、周辺とも緩やかなコミュニティを形成しつつ、ウランバートルなどの都市とも行き来することで、極めてプリミティブな生活様式を守っています。良質な素材について尋ねると「豊かな大地を守り、健康に育てることに尽きる」という考え方には感銘を受けました。手つかずの自然環境で育てられた動物の力強さと、人びとの生き生きとした表情が印象的です。

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カシミヤについて

家畜とともに暮らす遊牧民のなかでも、1000頭を超える家畜を育てることができる人は希で、国から表彰されるほどの存在。それだけ手塩にかけて育てられたカシミヤは、厳しい環境ながらもどこか満ち足りた表情をしています。それが良いカシミヤを作る唯一の方法だと、ゲルのお母さんは話してくれました。

ヤクについて

現在、約70万頭のヤクが生息するモンゴル。その気性は荒く、家畜として飼い慣らし、アンダーコート(産毛)を取れるように育てるのは非常に難しいといわれています。一年のうち数ヶ月は山へ放して自然の中で暮らさせることで、ストレスを与えずに厳しい環境でコミュニティを作らせる。その一団をきちんと自分たちの敷地に連れ戻せるように、時折山へ登って調教をしながら毛が生え替わる時期を狙って柔らかな毛だけを集めます。あの巨体から採れる原毛はわずか400gほどでニット製品1着分くらい。貴重な素材です。

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